• ユーザ導入事例

石巻専修大学

LinkProof 活用で高速・高信頼性のインターネット利用環境を確立
―将来的な拡張も視野にマルチホーム化を低コスト・短期間で実現―



国内有数の高等教育機関・学校法人専修大学の一翼を担う石巻専修大学では、情報教育研究センターを中心に全学的な情報科学教育の強化を推し進めている。その一環として、同大学では教育・研究に不可欠な高速インターネット基盤の充実を図るため、ラドウェア社の負荷分散装置「LinkProof(リンクプルーフ)」を導入、マルチホームでの安定した高速ネット環境を実現している。

高速なインターネット利用環境の実現が長年の課題

石巻専修大学は、創立時からITを駆使した学術研究・教育で知られている。PCを使った授業も数多く、学生が自由に利用できるPCルームなどの諸施設や学内の情報システムの充実も図られている。創立10周年にあたって建設した5号館には「情報教育研究センター」を設けて従来のPCルームを統合、現在では300台を設置して授業・実習、自習などに多面的に利用されている。学内の有線/無線LAN環境も拡充された。

先端的なIT環境の導入を進めている同大学において、大きな課題となっていたのがインターネット環境だった。情報教育研究センター長を務める経営学部教授 日野 博明氏は、「光ケーブルが敷設されたのも最近で、外部の環境がなかなか整いませんでした。研究者にも学生にもインターネット利用が増える中で、高速で安定したインターネットアクセスの実現はずっと課題になっていました」と語る。

同大学では、従来、商用ISPの回線サービス(アクセス回線=10M、ATM、5M保証)のみを利用していた。東北地区の大学や研究機関などで組織する学術・教育系の地域ネットワークTOPIC(Tohoku OPen Internet Community=トピック)へのアクセスや、学術情報ネットワーク基盤SINET(サイネット)の利用もISP回線によっていた。また、授業でインターネットを利用する際、研究室などからのアクセスが極端に遅くなるという問題が発生していた。さらに、ISP回線サービスの利用コストも大きな負担となっていたという。

日野 博明 氏

石巻専修大学
経営学部
教授
日野 博明 氏

LinkProofによる負荷分散を採用、アクセス環境を低コストで刷新

同大学では、2007年4月頃から情報教育研究センターのワーキンググループ(WG)を中心にインターネット環境の見直しに着手した。WGでは、回線サービスについて最新の情報収集を行うとともに、学内システムの構築を担当しているNECに新しいインターネット環境についての提案を依頼した。WGメンバーの理工学部講師 川村 暁氏は「学内のシステムやネットワークは冗長化されており、ノンストップサービスの提供という面でもインターネットアクセスの部分だけがネックになっていました。そこで、マルチホームでのアクセス環境を基本に提案を依頼しました」と語る。

NECからの提案の1つに、ラドウェア社の負荷分散装置「LinkProof」を利用したマルチホーム環境の実現があった。その提案理由について、NECソフトウェア東北の第一ソリューション事業部 佐藤 裕氏は、「ラドウェア社はこの分野を切り開いた老舗であり、LinkProofによる負荷分散については当社でも豊富な構築の実績がありました。低コストで信頼性・安定性の高いマルチホームを実現するには最適と考えて提案しました」と説明する。

WGではNECの提案を検討し、導入がしやすく運用のコストや負荷もかからない、また、将来的な回線の増強にも柔軟に対応可能なことなどから、LinkProofによる負荷分散の提案の採用を決めた。

川村 暁 氏

石巻専修大学
理工学部
講師
川村 暁 氏

冗長構成を可能にする負荷分散装置の導入が急務

同時期に、学内向けのシステムにも負荷分散装置を導入する必要性が出てきた。

1999年度から、学生向けにインターネット経由で利用できるWebメールサービスを提供することになったこと、そしてその使用方法を「情報リテラシー」という授業で、すべての新入生に半年間に渡って教えることになったためだ。

「Webメールサービスを開始したことで、かなりの数の学生が、学外から学内のシステムにアクセスしてくるようになり、その結果、それぞれの用途に応じたサーバへアクセスを振り分ける機能を担っていたサーバの負荷がかなり高くなってしまった。 そのため負荷分散装置が必要になった」(宗重氏)。これらの問題をクリアするために選ばれたソリューション、それが日本ラドウェアの負荷分散装置Web Server Director(以下WSD)だった。

マルチホームで高速かつ安定したインターネット環境を実現

同大学の新しいインターネット環境は、学術情報ネットワークTOPIC(10M)と既存の商用ISP(5M)広域イーサネットの2回線をLinkProofでマルチホーム化したもの(ネットワーク構成図参照)で、2008年3月から運用を開始している。回線のみならずネットワーク機器も二重化してノンストップサービスの環境を実現した。

新環境の下で、従来のようなアクセスの遅延は解消、高速で快適な利用が可能になった。これは、帯域の拡充だけでなく、学術ネットの利用とそれ以外のインターネット利用とを用途によって振り分けできることが大きいという。高速化によって、例えば従来は授業で使うプログラムをCD化して配付していたが、現在は授業中に学生がそれぞれインターネット経由でダウンロードできるようになった。

WGメンバーで経営学部教授の湊 信吾氏は、「コスト負担を最小限に抑えて、高速なインターネット利用環境を実現できました。また、従来からの懸案だった固定IPアドレス、クラスCのアドレスも確保しました。今後、帯域の拡張や回線の増強などにも柔軟に対応できる体制ができたと考えています」と語っている。

同大学では、新しい環境を最大限に活用して、学術研究や教育活動の一層の高度化を図りつつ、地域の教育拠点として高校などとの情報交換の推進や、防災ネットワークの拡充など、地域社会への貢献にもさらに力を注ぎたいとしている。

湊 信吾 氏

石巻専修大学
経営学部
教授
湊 信吾 氏



システム構成イメージ

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石巻専修大学に設置されている「LinkProof」

LinkProof

BGPプロトコルや専用のルータを使用することなく、複数のWAN回線をマルチホームし負荷分散を行う製品。WAN回線を冗長化して可用性を確保したり、通信事業者の専用回線と他の事業者のブロードバンド回線を組み合わせて利用するといった使い方が可能。最も高速に利用できる回線を自動的に選び出す独自技術や、使用アプリケーションや送信元によって回線を定義できるグルーピング機能などを搭載し、使い勝手が良く、運用に手間がかからないのも大きな特長だ。

石巻専修大学とは

石巻専修大学

学校法人専修大学が初の理工系学部を含む総合大学を目指し、1989年、宮城県・石巻市に開学。今年、創立20年を迎える。先端的な学術研究、実践的な教育活動で知られ、地域社会との密な連携も特色。2学部5学科、全学科にわかりやすいコース制を導入。学生数2082名(2008年5月1日現在)。

●所在地:
〒222-0011
宮城県石巻市南境新水戸1
●学部:
【理工学部】
・基礎理学科/美と健康コース、食品分析コース、植物と環境コース、総合科学コース
・機械工学科/自動車工学コース、機械システムコース、エネルギー輸送システムコース
・情報電子工学科/ITデザインコース、先端エレクトロニクスコース、カーエレクトロニクスコース
・生物生産工学科/海洋生物生産コース、遺伝子・細胞コース、生態系修復コース
【経営学部】
・経営学科/事業経営コース、国際経営・観光コース、情報ビジネスコース、ビジネス会計コース
●大学院:
・理工学研究科
・経営学研究科
●URL:http://www.isenshu-u.ac.jp