• ユーザ導入事例

空港情報通信

成田国際空港の通信インフラを担う空港情報通信株式会社が、ロードバランサの
リプレースを決断。4製品の実機評価の結果、AppDirectorを採用


POINT

  • 高い性能とコストパフォーマンスを両立し、ITサービス基盤の品質を向上
  • 手厚いトレーニング体制により、スムーズな導入を実現
  • 実運用に即した日本語マニュアルで社内運用比率を向上し、運用コストを削減
  • ライセンスの追加だけで無停止で性能をUP。迅速なサービス拡張を支援

機器リプレースを機に コスト削減、運用の内製化を目指す

空港情報通信株式会社は、成田国際空港内の通信インフラの整備、運用を行なっている。航空機の運航自体を支える有線、無線インフラや、利用者に運航情報を知らせる仕組みなど、空港内の通信全般を支えてきた。

近年、そのカバー領域はさらに広がり、空港運用に必要な各種の通信設備から空港内のテナントに向けたインターネットサービス、IT関連機器の設置・構築やシステム開発まで行なっている。そのサービスの基盤のひとつに、サーバ設備がある。サーバ機器やロードバランサが設置され、顧客向けの様々なオンラインサービス提供に活用されていた。従来使用していたロードバランサ製品は、性能面での問題はなかったものの、運用管理やコストの面で課題を感じていたと空港情報通信株式会社 営業部の堀越 邦也氏は語る。

「設定画面が複雑で、サービス内容やサーバ構成を変更するたびにインテグレータに設定変更を依頼していました。そうした作業のたびにかなりのコストが必要であり、サービスのスピード感を阻害する要因になっていました。また、機器コストも保守コストも高額だったため、冗長構成ではなくシングル構成で運用していました」

ロードバランサのリプレース時期に合わせて、こうした課題を解決すべく次期機種の選定が始まった。現状の性能を維持したうえで機器コストと保守コストを削減できること、簡単な設定変更を社内で行なえることなどが、選定要件として挙げられた。また、新しい環境では更なる信頼性向上を目的とし、冗長化構成へ変更する意向があり、設定変更などにかかるコストを含むトータル運用コストの削減は大きな命題だった。

堀越 邦也 氏

空港情報通信株式会社
営業部
システムインテグレイト課 課長
堀越 邦也 氏

処理能力の高さと信頼性を備えた AppDirectorを採用

まずはスペック比較で候補を既存製品を含む4製品に絞り込み、次にセミナーなどを通じてデモンストレーションの機会を得て、実際に機器に触れて比較検討が行われた。

新しいロードバランサの導入は、2段階のステップで進める計画だった。要件に合わせた設定を投入してロードバランサを設置し、稼働開始するまでが第1段階。安定運用が確認できしだい、顧客の要望へのタイムリーな対応のため、簡単な設定変更を社内で運用できるよう体制を作っていく第2段階へと進む。

「第1段階の視点では、必要な機能をいかに低コストで実現できるかが選定基準となり、第2段階の視点では、どの程度のことまで社内でできるかが選定基準となっていました。ですから、選定段階では社内のエンジニアが実際に触れる機会がどうしても必要でした」

空港情報通信株式会社 営業部 津藤 忍氏は選定時のことをそのように振り返った。エンジニアを中心に、コンテンツやサービスを担当するスタッフなど10名程度で各ベンダの製品を実際に触れていく中で、それぞれの違いを実感し、自社にもっとも適したものを選択した結果、選ばれたのはRadware社のロードバランサ、AppDirectorだった。

「AppDirectorはネットワーク系のエンジニアには馴染みやすく、販売代理店さんによってわかりやすい日本語マニュアルも整備されていました。想定した設定を実際に入力してみましたが、検証機を貸していただく際の説明とマニュアルだけで、一通りの設定は可能でした。これなら、導入後の運用もかなりの部分を社内でできるのではないかと実感できました」

GUIの使いやすさだけなら、他製品にも使いやすいものはあったが、機能性と使いやすさを高い次元で両立できているのはAppDirectorだったと、津藤氏は言う。使いやすさを追求した製品は設定が規定フォーマット化されているため、複雑な設定ができない。また、エントリー向けの色合いが強く、高い処理能力を望めない製品が多い。顧客向けのサービスを運用するという性質上、個別の顧客の要望に応えられるだけの機能性と柔軟性を持つことは最低限の要件であり、その点でいくら操作性が高くても、機能や柔軟性が現状より劣る製品は候補から除外された。その点、AppDirectorは処理能力の高さという点でも比較検討した機種の中では最高だった。なおかつ、Pay-as-you-growの思想に基づくライセンス形態を採用しており、利用規模に応じてライセンスをアップグレードしていけるというのも大きな魅力だったと堀越氏は言う。

「AppDirectorのこのライセンス形態なら導入時は少ない投資で必要な能力を確保し、サービスが拡大したらライセンスを追加するだけでサービスを停止することなくより高い処理能力を得られます。高い処理能力が必要になったとき、機器の入れ替えやネットワークの変更を伴わず、ライセンス追加だけでシステムの能力を拡大できる。システムの能力がサービス提供の足かせにならないというのはとても心強いですね。将来を見越してオーバースペックな機器を導入するというやり方もありますが、それはコストとしてサービス価格にも反映されてしまうので顧客のためにも避けたいと思っていました」

別のシステムで長年LinkProofを使っており、そこで実感してきたRadware製品への信頼感も、背景にはあったようだ。津藤氏によれば、障害はほとんど経験したことがないと言う。

「こうしたネットワーク機器の品質は、顧客に直接関わる部分ではありません。しかし確実にサービス品質を左右する部分なので、いい製品を選んで導入することは顧客メリットに必ずつながると信じています」

津藤 忍 氏

空港情報通信株式会社
営業部
システムインテグレイト課 係長
津藤 忍 氏

保守運用コストはこれまでの半分。コスト増なしで冗長化環境を実現

2011年11月終盤にAppDirectorを導入したことで、従来に比べて処理能力はかなり向上した。しかもコスト面では従来に比べてかなり低く抑えられていると堀越氏は述べた。

「従来のシングル構成からAppDirectorを2台用いた冗長化構成へと変化していますが、保守費用は以前よりむしろ下がっているくらいです。つまり、1台当たりの保守費用は以前に比べて半分以下にまで抑えられているということですね」

コスト削減の効果は、現段階で得られているものがすべてではない。設定変更など社内でできることが増えていけば、運用コスト削減の効果も表れるだろう。サービス拡大時に上位機器の購入や入れ替えの必要がなく、ライセンス拡張だけでロードバランサの処理能力を拡張できることも考えれば、将来にわたるトータルコストの差は、今感じられるものより大きくなると見られている。

また津藤氏は、導入やその後の運用をサポートする販売代理店のエンジニアのスキルの高さにも言及した。

「技術力が高く知識もあるので、導入も運用も不安がありません。Radware社と販売代理店との連携も良く、こちらの疑問を解決してくれたり、要望のエスカレーションもスムーズです。ベンダやインテグレータの協力は機器の信頼性と並んで重要なポイントですが、その点でも安心して利用できる製品だと感じています」

システム構成イメージ

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並行して進むサーバ仮想化との相乗効果にも大きな期待

AppDirectorの導入により、サービス基盤にも大きな効果がもたらされるだろうと期待されている。特に、現在進んでいるサーバ仮想化の流れとの相乗効果は見逃せない。空港情報通信株式会社でも仮想化基盤は整っており、既存サーバの仮想化は順次行なわれている段階だ。サーバの仮想化が進めばサーバの増加傾向にも拍車がかかり、これまで以上にロードバランサの重要性が高まるだろうと考えられている。

「物理サーバではコストがかさむため、シングル構成で運用しているシステムもあります。仮想化により低コストで冗長化できるようになれば、ロードバランサを使うシステムがこれまでより増えていくでしょう」

サーバの増加に伴い、トラフィック量も増加していく。AppDirectorなら、ライセンス追加で処理能力を上げられるため、サービスの拡張にも柔軟な対応が可能だ。また、仮想化によりサーバのコスト削減が図れても、従来のロードバランサでは設定変更をインテグレータに依頼する必要があったため、コストや提供期間がサービス拡張のハードルとなっていたと津藤氏は言う。しかしAppDirectorなら販売代理店の提供するトレーニングに参加することで、設定変更など運用時に必要な知識を習得できるため、導入後の基礎的な設定変更は社内で行なえる。必要なコストも期間もこれまでとは比べ物にならないほど削減できる。

「システムやコストの効率化だけではなく、サーバが仮想化されることにより得られる効果を最大化するという観点で、今回のAppDirectorのもたらすメリットは大きいと感じています。サービスの拡大や品質向上のために基盤が確立したので、今後は顧客の要望に柔軟に応えていけるでしょう」

AppDirectorの支えを得て、空港情報通信株式会社はさらなる躍進のときを迎えている。


AppDirector

新世代のハードウェア・プラットフォームOnDemand Switchを実装した、アプリケーションデリバリー製品。Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバなど各種サーバの高速で安定した利用環境を提供する。OnDemand Switchの実装で卓越したハイパフォーマンスを実現、またソフトウェア・ライセンスの適用による柔軟かつ容易なスループットの拡張、サービスの追加を可能にしている。

空港情報通信とは

空港情報通信

空港情報通信株式会社は、成田国際空港の通信インフラの設置、管理、運用を担っている。航空機の運航に関わる重要度の高いシステムからテナントが利用するLAN回線、利用者向けのキオスク端末に至るまで、その管理対象は空港内のあらゆる場所に及ぶ。昨今ではサーバ提供を含むシステム開発案件も多く、空港内テナントのIT環境全体を支えている。

●本社所在地:
〒282-0004
千葉県成田市古込字古込1-1
成田国際空港内 情報通信センター
●事業概要:
情報通信事業
●導入時期:
2011年11月
●URL:http://www.aics.co.jp/